木村通子のつれづれ

神宮館社長 木村通子が日々感じたことを綴る日記です。雑感の中から、読者の皆さまにとって人生の幸せのヒントとなるようなテーマを取り上げていきたいと考えています。

VOL.209 「星逢一夜」

先日、東京宝塚劇場にて雪組公演「星逢一夜(ほしあいひとよ)」という作品を観劇しました。
時は江戸中期。貧困にあえぐ農村に、星の見櫓を作りに来た藩主の次男坊 晴興が主人公。そのあと、晴興は急死した長男の代わりに江戸へ行くことになります。
徳川吉宗に月見の日に謁見した晴興は、「今日は月食です」と言います。月が欠ける日は不吉な日。「そのような発言は今日の宴の主に無礼である、ありえない」と色めき立つ周りに「まちがいありません。私は毎日星の動きを見ていますから」と動じない晴興。
見立て通り、ほどなく月が欠け始め、吉宗に気に入られた晴興は「享保の改革」をする大きな役割を与えられます・・・。
幕間にプログラムを読みましたら、この場面は18世紀の宝暦年間に岐阜県の郡上藩で実在した天文好きのお殿様の実話をもとに作られたそうです。こよみのエピソードとしてはとてもドラマティックで、思いがけないお話の流れに胸が熱くなりました。
(10月11日まで上演中)

「星逢一夜」