中段十二直
(ちゅうだんじゅうにちょく)


暦の中段は、江戸時代にあった“かな暦”の中段に建(たつ)、除(のぞく)、満(みつ)、平(たいら)、定(さだん)、執(とる)、破(やぶる)、危(あやぶ)、成(なる)、納(おさん)、開(ひらく)、閉(とづ)の順番に記され日々の吉凶を占ったことから、今日も略して中段と呼ばれ、用いられています。
建・満・平は吉日、除・定・執・成・納・開は小吉、破・危・閉が凶日と単純に考えていいでしょう。

【たつ】
この日は建(たつ)の意から、最吉日にあたります。
神仏の祭祀、婚礼、開店、新規事業の開始、移転、柱立て、棟上げ、旅行などには大吉です。
ただし屋敷内の動土、蔵開きには凶とされています。

【のぞく】
この日は除(のぞく)の意から、百凶を除く吉日にあたります。
医師にかかり始め、薬の飲み始め、種まき、井戸掘りなどには吉となります。
ただし婚礼、屋敷内の動土などには凶の日です。

【みつ】
この日は満(みつ)の意の示すように、万象万物ことごとく満まん溢いつされる吉日とされ、建築、移転、新規事の開始をはじめ、婚礼その他の祝い事、種まき、動土など、すべて吉です。

【たいら】
この日は平(たいら)の意の示すように、物事の平等円満をもたらす吉日で、地固め、柱立て、種まき、旅行、婚礼その他祝い事には吉日です。
ただし池、溝、穴などを掘るのは凶とされています。

【さだん】
この日は定(さだまる)の意の示すように、善悪定まってとどまる日で、建築、柱立て、棟上げ、移転、婚礼、開店、開業、種まきなどに用いると吉ですが、訴訟、旅行、樹木の植替えなどには凶となります。

【とる】
この日は執(とる)の意の示すように、万物の活動育成を執行し促す日です。
神仏の祭祀、婚礼その他の祝い事、造作、種まきなどには吉の日です。
ただし金銭の出し入れ、財産整理には凶となります。

【やぶる】
この日は破(やぶる)の意の示すように、物事を衝破する日ですから、訴訟、談判事などにこの日を用いると好結果をみます。
ただし婚礼、神仏の祭祀、その他祝い事には忌むべき凶の日です。

【あやぶ】
この日は危(あやぶ)の意の示すように、万事に危惧を含む日ですから、諸事控えめに慎むべきで、旅行、登山はとくに大凶です。

【なる】
この日は成(なる)の意のように、物事が成就する日ですから、建築、開店、種まきなど、新規に事をはじめるのに用いると吉です。
ただし訴訟、談判事などには凶となります

【おさん】
別名天てん倉そうともいいます。この日は納(おさめる)の意の示すように、万物を納め入れるのに良い日ですから、五穀の収納、商品購入などには吉です。
ただし、見合い、婚礼などには凶の日となります。

【ひらく】
この日は開(ひらく)の意の示すように、険けんを開き通じる意があり、神使天険を開通する日で、建築、移転、婚礼、開店などすべて吉の日です。
ただし葬送の儀、その他の不浄事は凶とされています。

【とづ】
別名嘆たん星ともいいます。この日は閉(とづ)の意の示すように、諸事閉止する意を含むところから、金銭の収納、建墓、トイレ造りなどには吉ですが、柱立て、棟上げ、開店、婚礼などには凶となります。




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