私の家にはいつも「神宮館のこよみ」がありました。何故なら、私の祖母は「こよみ」を使って人生を切り拓いた人だからです。仕事をしていた祖母は、何かを決断しなければならない時、「こよみ」を開いて考えていました。「こよみ」を読むことによって悩みや不安を振り払うことができ、自信を持って前に進んでいました。母や私はそれを間近で見ていました。初めはそれ程入り込んでいなかった私ですが、長い年月を経て、今では祖母用、母用、自分用の三冊を毎年購入しています。何かを決断する時、「こよみ」を開いて、私のできる範囲で「こよみ」の声を聞き入れ行動しています。でも、もし「こよみ」が家になかったら、本屋さんで見かけたとしても、私はこの一冊を手に取らなかったかもしれません。私の幸せが祖母が手に取った一冊の「こよみ」からスタートしている事に感謝し、「神宮館のこよみ」と百二歳の祖母を大切にしていきたいと思っています。