30歳 男性

学生の頃、実家からの仕送りには高島易が入っていた。毎年送られていたが、一度も読んだことはなかった。
転機となったのは就職活動。連日お祈りメールの嵐で、精神的にまいっていた。
そんな中、目に入った高島易を藁にもすがる思いで開いた。自分が九紫火星であると知り、明後日の運勢を確認する。その日は本命企業の面接日だった。
結果は散々。早々に面接は終わり、追い返された。
運勢は二重丸だったのに、やっぱり易学はあてにならないなと思った。
呆然としながらも、お守り代わりに持ってきていた高島易を改めて開いた。運勢説明を見ると、「あなたを評価してくれる人を見誤るな」とのこと。
その日は、別企業との面接予定をキャンセルしていたことを思い出した。慌てて人事担当者に電話し、謝罪のうえ、再度の面接を懇願した。
今、私はその企業で楽しく働いている。後で気づいたのだが、九紫火星の適職だったようだ。